一棟収益物件の売却査定はどう決まる?
査定額の根拠と、高く売るための準備
一棟収益物件の査定は、周辺の坪単価だけでは決まりません。賃料収入、土地・建物の価値、近隣の成約事例、そして買主の融資可能額を重ねて、現実に売れる価格帯を判断します。
PRICE TYPES
査定価格・売出価格・成約価格は別の数字
査定価格
資料と市場状況から、不動産会社が売却可能性を判断した価格。
売出価格
売主の希望や販売戦略を加えて、市場へ提示する価格。
成約価格
買主との交渉と融資審査を経て、最終的に合意した価格。
買取価格
再販売費用や保有リスクを織り込み、不動産会社が直接購入する価格。
高い査定額を提示した会社が、必ず高く売れるとは限りません。大切なのは、誰が・どの融資で・なぜその価格で買えるのかまで説明できることです。
FOUR METHODS
査定額を決める4つの見方
- 01
収益還元価格
年間の実質収入を、買主が求める利回りで割り戻す考え方です。単純な満室賃料ではなく、空室損、運営費、将来の修繕も見られます。
- 02
土地・建物の積算価格
土地の路線価・公示地価・実勢価格と、建物の構造・築年・再調達価格などから資産価値を確認します。融資審査でも重視される指標です。
- 03
近隣の取引事例
同じ地域、構造、築年、規模の売出事例と成約事例を比較します。売出中の価格は希望額であり、成約価格とは分けて扱います。
- 04
買主の融資評価
買主が借りられる金額と期間は、実際に購入できる価格へ直結します。収益性が同じでも、築年や違法性、検査済証の有無などで差が出ます。
SIMPLE EXAMPLE
年間賃料1,200万円なら価格はいくらか
単純な収益還元の目安は「年間賃料 ÷ 想定利回り」です。年間賃料1,200万円の場合、利回り6%なら2億円、7%なら約1億7,140万円、8%なら1億5,000万円です。
実際の査定では、空室、運営費、修繕、立地、築年、融資条件を反映します。満室想定だけの計算を、そのまま成約価格にはできません。
一棟ラボの簡易価格シミュレーションでは、年間賃料と想定利回りから複数の価格帯を比較できます。
PREPARATION
査定前に揃えたい資料
- 最新のレントロールと賃貸借契約書
- 固定資産税・都市計画税の資料
- 建築確認・検査済証・図面
- 修繕履歴と今後の見積書
- 滞納、敷金、サブリースなどの契約状況
- ローン残高と抵当権の状況
資料不足を隠すより、分からない点を明示した方が販売戦略を立てやすくなります。売却未定でも、現在の価格帯と手残りを把握しておけば、保有継続との比較ができます。
一般的な査定方法を整理したもので、個別物件の売却価格や成約を保証するものではありません。実際の価格は物件資料、現況、市況、融資環境により異なります。