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一棟アパート・マンション売却の税金はいつ払うのか

決済後の入金から翌年の納税までを見通す

一棟アパートやマンションの売却が終わり、ローンも返済できた。通帳に残ったお金を見て、次の購入や生活資金に回したくなるかもしれません。ただ、売却に伴う税金には、決済より後に支払うものがあります。入金の日だけでなく、翌年の納税までを一つの資金計画として考えましょう。

秋から冬そして新緑へと季節が移り変わる日本の一棟マンション
売却した後も、季節をまたいで納税の予定は続きます。生成イラストはイメージであり、実在の物件や取引ではありません。
最初に押さえたい3つのこと
  1. 所得税等は原則として売却の翌年に申告・納付
  2. 住民税はその後の翌年度分まで資金を残す
  3. 賃貸用建物の消費税は納税義務を別に確認

この記事は、日本の居住者である個人が保有する国内の賃貸用一棟物件の一般的な売却を対象にしています。法人や非居住者の取扱い、相続人による準確定申告等は別に確認が必要です。税額の計算は税金・手残りガイドで整理し、ここでは支払いの時期と資金準備を扱います。

この記事の目次

01 / AFTER THE SALE

税金の支払いは
3つの時期に分ける

売却により課税される譲渡所得がある場合、所得税・復興特別所得税は確定申告で精算します。譲渡所得の申告期間は、原則として譲渡した年の翌年2月16日から3月15日です。住民税は翌年度に納付し、消費税の納税義務がある人は、所得税とは別の申告・納付も確認します。[1][3][4]

01 / PAYMENT CALENDAR売却した年で
支払いは終わらない

2026年分の譲渡として申告する個人の例

  1. 2026売却時
    契約・決済

    売買代金の受取りと精算

    ローン返済や売却費用を確認
    後で払う税金の資金を確保

  2. 20273/15月曜日
    申告と納付の期限

    所得税・復興特別所得税

    譲渡所得を含めて確定申告
    振替納税の振替日は4月23日

  3. 20273/31水曜日
    納税義務がある人

    消費税・地方消費税

    個人事業者の通常の課税期間の例
    振替納税の振替日は4月30日

  4. 20276月〜
    翌年度の納付

    住民税

    普通徴収の納期例は
    6月・8月・10月・翌年1月

国税の日付は2026年分の国税庁公表日程。振替納税には手続きが必要で、申告期限が延びるわけではありません。住民税の納期は東京都の例で、自治体・徴収方法により異なります。期限延長や消費税の課税期間の特例等は含みません。[1][2][3][4]

春に払っても住民税は残る

所得税を納めた後、納税用に残した資金をすべて使ってしまわないことが大切です。東京都の普通徴収では、住民税を6月・8月・10月・翌年1月の4回で納めます。給与からの特別徴収は通常6月から翌年5月までです。自分に適用される徴収方法と納期を、住所地の自治体の案内や通知で確かめてください。[4][5]

確定申告と納付は別の手続き

確定申告書を提出しても、それだけで税金が口座から引き落とされるわけではありません。国税庁は、申告後に納付書や納税通知書によるお知らせはないと案内しています。利用する納付方法を決め、手続きと残高の確認を予定に入れましょう。振替納税を新たに使う場合も、期限までの依頼書提出等が必要です。[6]

02 / AT CONTRACT & CLOSING

契約と決済の支出も
先に見積もる

翌年の納税とは別に、契約・決済までに必要な資金もあります。紙で不動産売買契約書などの課税文書を作成する場合の印紙税は、その書面に応じて確認します。契約金額や軽減措置、電子契約の扱いを混同せず、契約方法に合わせて仲介担当者へ確認してください。[7]

契約時
印紙税が必要な書面の有無や仲介手数料の支払条件などを確認
決済時
ローン返済額・繰上返済手数料・抵当権抹消等の登記費用・残りの仲介手数料を確認
引渡しの精算
賃料・敷金・固定資産税等の精算について契約内容と精算書を確認

この一覧は資金準備のための確認項目です。支出の全部が、譲渡所得から差し引ける「譲渡費用」になるわけではありません。また、決済で買主と行う精算と、自治体への納税は分けて管理しましょう。

売却手続き全体は一棟アパート売却の流れ、電子契約の特徴は不動産売却の電子契約も参考にしてください。

03 / CHECK YOUR TAX STATUS

住宅の家賃と
建物売却の消費税は別

「住宅の家賃に消費税をかけていないから、売却にも関係ない」とは判断できません。住宅賃貸用の建物の売却も、消費税の課税対象となる取引です。一方、土地の譲渡は非課税です。まず土地と建物を区別し、その上で売主の納税義務を確認します。[8][9]

課税対象の取引と納税義務を分ける

建物の売却が課税対象であることと、その売主に消費税を納める義務があることは別の確認です。前々年の課税売上高だけでなく、インボイス登録、課税事業者の選択、特定期間などの条件も関係します。物件の売却額だけで、その年の納税義務を即断しないでください。[10]

納税義務がある個人事業者の通常の課税期間では、消費税・地方消費税の確定申告と納付の期限は原則として翌年3月31日です。課税期間を短縮する特例などがある場合は日程が異なります。[3]

資金計画では、土地・建物の価格内訳、売却年の課税関係、適用する計算方法を税理士に伝え、消費税等の納付見込額を確認しましょう。「売却価格の10%を残せばよい」と一律に決めることはできません。

04 / MONEY TO KEEP

通帳の残高と
使える資金を分ける

決済で残ったお金は、納税後の手残りとはまだ一致しません。次の物件の頭金、借入れの返済、生活費などに回す前に、後で払う税金と未払い費用を整理します。次の図は、税額が確定するまで資金を管理するための手順です。

02 / KEEP BEFORE YOU USE次に使う資金を決める前に
納税用の資金を取り分ける
決済後の資金売買代金と精算金の受取り

手付金など既に受け取った分も含めて把握

−

ローン返済・売却費用・敷金等の精算
既に差し引いた支出は二重に引かない

ここで分けて確保後で払う税金と未払い費用
01所得税等申告・納付の予定額
02住民税翌年度分まで確保
03消費税等納税義務と見込額を確認
+未払い費用税理士報酬などの予定額
差し引いた後に次の用途に回せる資金を検討

税額が未確定なら概算として管理し
申告内容が固まったら更新する

編集部による資金整理の手順です。税額計算式ではありません。確保する金額は所有期間・取得費・他の所得・消費税の課税関係等で変わります。一律の確保率は設けていません。

納税用の資金を別口座や管理表で区分するのは、使い過ぎを避けるための実務上の方法です。口座を分ければ税金が安くなるわけではありません。見込額・支払時期・確認日を残し、契約価格や費用が変わったら見直しましょう。

RESERVE NOTE

残す金額がまだ分からないとき

購入時の資料、減価償却の記録、売却費用の見積りを税理士へ渡し、不明な数字を整理します。手元資金に対する一定割合で決めず、納付見込額が分かるまでは次の支出を確定させない、という進め方が考えられます。

税金と手残りを左右する数字を確認する ↗

05 / ACROSS THE YEAR

年末の契約は
何年分の申告かを確認

12月に契約し、翌年1月に引き渡す場合は、申告する年の確認が必要です。国税庁によると、譲渡の日は原則として引渡日ですが、契約の効力発生日に譲渡があったものとして申告することもできます。一般に契約の効力発生日は契約締結日です。[1]

入金日だけで申告年を決めない

手付金の受取りと残代金の決済が年をまたぐ場合も、入金のたびに自動で売却益を分けると考えないようにします。契約日・引渡予定日・採用する取扱いを税理士に確認し、その年に対応する納税予定を組みます。

年末に引渡しを終えると、翌年の申告までの準備期間は短くなります。申告時期になってから資料を探し始めるのではなく、売却の条件を詰める段階で税額と期限の見通しを立てておくと、決済後の資金を管理しやすくなります。

06 / BEFORE YOU SIGN

税理士への相談は
売買契約の前から

税額と納税時期は、売却条件や次の資金用途を決める材料です。相談を始める時点ですべての資料が揃っている必要はありません。次の資料について「あるもの・探しているもの」を分け、契約前に概算、決済後に確定資料での見直しを依頼しましょう。

  1. 取得時の資料

    購入契約書・土地建物の内訳・仲介手数料等の領収書

  2. 保有中の記録

    減価償却明細・過去の申告書・資本的支出に関する資料

  3. 今回の売却条件

    売買契約案・費用見積り・契約日と引渡予定日

  4. 消費税と納付方法

    インボイス登録や各種届出の状況・振替納税の利用状況

仲介会社には価格・決済予定・費用・精算の確認を、税理士には課税関係・申告年・納付見込額の確認を依頼します。決済後は精算書と領収書を揃え、所得税等を払った後も住民税分が確保できているかを見直してください。

07 / QUESTIONS

よくある疑問

売却した年にすべての税金を払うのか

通常はそうではありません。印紙税など契約時に確認するものに加え、所得税等は原則として翌年、住民税は翌年度の納付になります。消費税等の納税義務がある場合は、その申告・納付も別に確認します。[1][3][4][7]

振替納税なら確定申告も4月でよいか

申告期限は延びません。申告と振替納税に必要な手続きを期限内に済ませ、指定された振替日に引き落とせる残高を用意します。[2][6]

住宅だけの一棟でも消費税の確認は必要か

必要です。住宅賃貸用建物の売却は課税対象の取引です。実際の納税義務は、売主の課税売上高やインボイス登録等の条件を分けて確認します。[8][10]

法人所有の物件にもこの年表を使えるか

そのままは使えません。この記事は個人所有を前提にしています。法人では事業年度等に応じて税金と申告・納付の時期を確認する必要があります。

売却価格と決済時期を
資金計画の出発点に

まずは一棟物件の売却見込みと、決済までに必要な費用を整理しましょう。税理士に確認するための価格・費用の前提を揃えることから、売却後の資金計画が始まります。

無料査定を相談する

無料査定は物件の価格と売却条件の相談です。個別の税額計算・申告・税務判断は税理士や所轄税務署へご確認ください。

参考資料と確認日

  1. 国税庁 No.3102 譲渡所得の申告期限 — 申告期間と譲渡の日の取扱い。
  2. 国税庁 主な国税の納期限及び振替日 — 令和8年分の所得税等・消費税等の日程。
  3. 国税庁 No.6601 申告と納税 — 消費税の課税期間と申告・納付期限。
  4. 東京都主税局 税金一般 — 年間の主な納期。普通徴収の地域例として参照。
  5. 東京都主税局 個人住民税と特別徴収について — 前年所得への課税と特別徴収の時期。
  6. 国税庁 確定申告Q&A 税金の納付 — 納付方法と振替納税の手続き。年度別の日付は資料2を参照。
  7. 国税庁 No.7140 印紙税額の一覧表 — 不動産売買契約書等の課税文書。
  8. 国税庁 No.3240 個人が事業用建物等を譲渡した場合の消費税 — 住宅賃貸用建物の売却。
  9. 国税庁 No.6201 非課税となる取引 — 土地の譲渡等。
  10. 国税庁 No.6501 納税義務の免除 — 課税売上高・インボイス登録等の判定条件。

確認日:2026年10月21日。一般的な制度の解説であり、個別の納税義務・税額・申告の要否を判定するものではありません。資金の分け方と資料準備の順序は編集部による整理です。特例や期限延長等の適用がある場合は、所轄税務署・自治体・税理士へご確認ください。